2016年11月30日

そのことだけの日

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  錆       岬多可子



  七巻(まき)の七色の 絡まった子蛇たちも


  とろとろと 冬へと眠る。


  火を熾し かわるがわる見守る一日、


  バタアのかたまりの角はゆるみ


  琺瑯の片手鍋には 落葉のお茶。


  目を合わせなくてもよいし、


  なにも言わなくてもよい一日。


  緑青の匙で みるくの膜を掬う。


  消えそうになる火を消さずに


  消さないように、そのことだけの日。



               掌詩集 「色を熾(おこ)す」より全行


posted by cocoacat at 04:11| 日記 | 更新情報をチェックする