2016年06月23日

匍匐前進の三十一文字 

2016_0612AD.JPG「まぁ、ぼちぼちでんなぁ」


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春の宵金糸銀糸の雨の中呪文を解かれマグノリア咲く 

     

傲慢を隠していとも軽やかに春日のごとき友の足取り 

  

白梅の仄かな香りに導かれ迷う路地裏野良猫気分 


月白に心鎖した少年よ恐がらずに歩いてごらん さあ


くれないの色も形もそのままにはつはつ傾き侘助の散る 


一心にインク練る人その肩に犬の毛二本光らせながら 


桜風もの言いた気な眼差しの老猫一匹香箱を組む 


われの住む夜の国には猫二匹その他の声ついぞ響かず


日だまりに腕差し伸べて影作る今立つわれを確かめる為


挽きたてのコーヒー豆の香を乗せてバスは冬日を軽々進む  


今日もまたうつつに迷うその路に微かに香る白の木蓮


月の夜の猫は僅かに身構えて見えない獲物ひたすらに待つ


五月闇寝返る度に届く声真直ぐに生きよ朗らに生きよ


長雨の百(もも)の葉互いに抗わず色を極めて夜へと傾く






posted by cocoacat at 14:47| 日記 | 更新情報をチェックする