1階の広いアトリエで、1時半から午後6時迄、
二人で塩ビ板のドライポイントに励むのです。
本日は、布へのドライポイントの刷りと、
この間の古本まつりで入手した壁紙のサンプルを利用しての、貼り込みです。
刷りの時に同時に別の紙を貼り込むのは、慣れると簡単なのですが、
ちょっとしたコツが必要で、メモを取りながら、真面目に励まれます。
私は何もしないで、いつもの通り、とりとめのない話をしながらの、見張りです。
3時、4時と順調に進み、少し休憩をとり、午後5時。
疲れもマックス。
今日は、この辺でと終われば良かったのですが、
大きなローラーを転がしての練習が未だだったので、
1度試しておきましょうという事になり、
布地に版を置き、プレス機のハンドルに、彼女が手をかけたら、
布地に版を置き、プレス機のハンドルに、彼女が手をかけたら、
これが、驚いた事に、うんともすんとも、反応なし。
「ええ〜っ、壊れたの?こんなしっかりしたものが!」と慌てる私に、
「この子ねぇ〜、時々こうならはんねん。でもね言い聞かせているうちに、
また動き始めてくれるから大丈夫」と、プレス機に本気で、話し掛け始める彼女。
「な、動いて。お願い。働かせ過ぎたんやね。ごめんごめん。
「な、動いて。お願い。働かせ過ぎたんやね。ごめんごめん。
動いてくれんとな、作品が、刷れへんねん、な、お願い!」。
労働を拒否する賢いプレス機と、その機嫌をとりなす彼女に、
翻弄されている、わたくし。
生きていると、面白いことが待っているものです。
今まで、名前も知らなかったバス停の「加茂川中学前」にて、
生きていると、面白いことが待っているものです。
今まで、名前も知らなかったバス停の「加茂川中学前」にて、
深呼吸を何度もして、心を落ち着かせたのでした。