2020年02月29日

濡れて濃やかな朝

  2月29日1.png

  
  霧       岬 多可子
  
  木々の葉先も
  鳥たちのさえずりも
  なめらかな 粒子の流れの

  濡れて濃やかな朝
  
  力を持たぬ
  手足や五感の行く先を
  ひえびえと 試し
  はじめて ということを思い出す

  しだいに なにもかも
  輪郭を帯びてしまう
  それまでのあいだ
                 掌詩集 「気象の余白」より全行

        

posted by cocoacat at 00:12| 日記 | 更新情報をチェックする