白濁 岬多可子
未明 でももうじゅうぶんに
湿って 飽和している 身の、
おきどころのなさよ。ゆるゆると
光をとどまらせ かためたのが
ぜりい 葛 寒天、
半透明の白濁の、
五官の 伸びていく尖端の ふるふると。
情と欲 分けてはみても 黒い蜜、
ぬるんだところから ぞうさもなく
とろける くずれるのが 夏。
掌詩集 「色を熾(おこ)す」より全行
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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白濁 岬多可子
未明 でももうじゅうぶんに
湿って 飽和している 身の、
おきどころのなさよ。ゆるゆると
光をとどまらせ かためたのが
ぜりい 葛 寒天、
半透明の白濁の、
五官の 伸びていく尖端の ふるふると。
情と欲 分けてはみても 黒い蜜、
ぬるんだところから ぞうさもなく
とろける くずれるのが 夏。
掌詩集 「色を熾(おこ)す」より全行