2015年02月28日

かさなり つながり 

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  てのひらのひらひらと火     岬多可子

  ちいさな両棲類の 濡れて息する水の膚。
  載せて 包んだ そのなかで
  火の傷を負わせる、それが
  わたしたちの てのひら。
  あるいは びっしりと満場の
  泡立ち波打つ てのひら、
  ひとひら ひとひら 姫手鏡の光だったのが
  もえひろがっていく 火の手の 赤い海。
  ひらかれ ひらひら ひるがえり
  花 落ちて 幾重にも散り敷くように
  手には手が 炎には炎が 
  かさなり つながり ついには一面の。
  そして 蜜 蝋 脂、
  つらつらならならと
  白いこごりを熔かすのが
  上衣の裾から入れて 身の肉 肉の内に触れる
  てのひらの火。
  とりかえしのつかぬ あのこと あのこと、
  にぎりしめ にぎりつぶしてきて 赤い
  熱い手。

               掌詩集「水と火と」より全行


posted by cocoacat at 00:12| 日記 | 更新情報をチェックする